三十路手前の失踪者

失踪経験のある私がその時のことや自分好きなことをブログにしています。

三十路手前の失踪者【2日目ー③】

ようやく帰りの航空券を購入することができた、しかし残り二日間どう過ごそうか…

 

沖縄から東京に出てきたはいいが元々アテもなく飛び出したので今後の予定なんてあるはずがない、とりあえず先ほどまで泊まっていたDVD試聴室のところまで戻ることにした。近くにガストがあったのでそこに入って今後のことを考えることにした…

 

雨はまだ降っているので急ぎ足で向かった。ガストについたのは11時前だったので比較的空いていた。

 

前日は試食のお菓子しか食べてなく、朝もソイジョイを一本食べただけなので失踪してから初めてまともな食事をすることになった。

ちょうどランチタイムのメニューがあるのでそれを注文したかったがここでもできるだけお金は使いたくなかったので私はミートドリアとドリンクバーを頼んだ。

 

注文を終えるとドリンクバーに真っ先に向かった、だが肩掛けの小さなバッグだけは手放さなかった。ここに先ほど買った航空券を入れているのだ!

普段なら荷物は席に置きっぱなしにするが万が一にも紛失するわけにはいかない。

まるで自分の命がバッグの中に入っているようだった。

 

やがてドリアも席に運ばれて来た。ガストのドリアは何度か食べたことあるがこんなにドリアにありがたみを感じたことはない。ゆっくり味わってドリアを食べた。

 

食べ終わってもすぐに出ることはなくタブレットを取り出して検索をしていた。この後どこに行くか決めないといけない、新宿か秋葉原どちらにしようか悩んでいた。しかしなかなか決めきれないので時間だけが過ぎていった、気付けは昼休み真っ只中で席も満席だった。近くの席で長時間勉強していた客が店員に退席するように頼まれているのを見かけた。私も出ていったほうがいいのだろうが、やはり少しでも長くいたいので座り続けていた。その後もまた一組の客が店員に声をかけられ退席していった。次は私の番か、そう思っていたのだが店員は私ではなく私より少し後に入った客に声をかけたのだ。

私の姿を見て気遣ったのだろうか?私は雨で少し濡れていて大きなリュックサックを背負って店内に入り、安めのメニューを頼んで何杯もドリンクバーをおかわりして長時間居座っていた。

とてもいい客とは言えないが、だからこそあえて声をかけないのだろうか?

確かに前日の疲労もまだ残っているので休む時間は長いほうがいい、だけど流石に申し訳ないので私は店を出ることにした。

会計を済まして店を出たのだが、店員の「ありがとうございました、またお越しください」の言葉が心に響いた。ただのマニュアル通りの挨拶なのだがそのときの私には意味深なものになった。ありがとうなんて言われるような客ではなかったし、そもそももうこの店に来ることなんてないだろうが、出来るならこの店にはもう一度行ってみたいものだ…

 

結局店を出たのは14時ごろだったがそのときには雨も上がっていたので空を見渡した。その瞬間ふと思った。

秋葉原を歩いてみたいと。

やっぱり自分が見てみたいところに行くほうがいいだろうということで秋葉原に行くことが決定した。

あんなに悩んでいたのが嘘のように一瞬で決まってしまった。とはいえ決まったのなら話は早い、新橋から秋葉原に行くために駅の方向に歩き出した。駅はもう見えているので迷うことなく行ける。このまま一直線で駅に行くつもりだったがあるものが目に入った。それは神社の入り口の看板だった、こんな街の中に神社なんてあるのだろうか?

気になって通りから少しだけ奥に入ってみると確かに神社があったのだ。

隠れるようにある神社がなんだか珍しかったのでお参りすることににする。しかし失踪してきた身なので悩みは多い、何を祈ればよいのやら、あれこれ考えてたが纏まらなかった。そこで私はちゃんと家に帰って両親に謝りたい、と祈った。お願いなのか決意表明なのかわからないが一番大事なことはこれだと思った。

 

思わぬ寄り道だったがこういうのもいいものだ。それでは改めて駅へ向かったのだが神社から通りに抜ける道をたどっていると私の前を歩く二人の男性に目がいった。二人は手を繋いでいたのだが、まるで恋人同士でするような手の繋ぎかたをしていた。しかし私の視線に気づいたからかは知らないが二人は手を離した。

一瞬の出来事だったしよく見えなかったので見間違いだったかもしれない。邪推しないほうがいいだろうと思ったが二人の格好を見ると二人とも白のパーカーで紺のデニムに黒のスニーカーだった。いわゆるペアルックってことだろうか?

そう思っていたら二人が今度は腕を組み始めたのでまるで恋人のように見えた。恐らく二人はカップルなのだろう。そして私の前行く二人は腕を組んだまま通りに出た。二人は駅とは反対方向に歩いていったので私は追いかける理由もないので駅の方向へ歩いていった…

特にあの二人に興味も関心もあるわけではないし私がこんなことをいうのも変かもしれないが二人には辛いことがあっても乗り越えて欲しいと思った。

そんなことを考えていたらあっという間に駅に着いた、私は秋葉原行きの切符を買って乗り場に向かった…

 

色々なことがあった新橋を離れ私はこの失踪で一番長い時間を過ごした秋葉原へと向かったのだった。

 

【2日目ー④】に続く…

 

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